おれはもうおなかすいた(@ADHD、薬剤師)
最近ありがたいことに薬学生さんからも、励ましのメッセージをいただけたりする。皆さん本当にありがとうございます!
いい機会なので、ADHDで薬剤師になるのどうかな?って思っている薬学生さんや薬剤師さんに向けてぼくの意見を。
薬局や病院に就職するだけが薬学生の就職先じゃない
薬学生のぼくは、卒業したら病院か薬局か……
なんてことは全く思わなかった。
とにかく薬学部が自分には不適だなぁって在学中から思っていたから、卒業したら薬局とか病院とか薬学関連の業界からは足を洗おう!
そう思っていた。
最終的には最初の就職先は化粧品会社で落ち着いたんだけど、数年間働いてみて思うことがある。
「薬剤師」にとらわれてしまうと損だ。これは今後ますます強くなっていくと自分は思う。
薬学部=薬剤師
これは当たり前の誰もが思うことだけれど、18そこいらで将来何になるか、何になりたいかなんてわかるわけがない。
なんのために仕事をするのか?
これは個人によって想いは違う。生活のためだったり、やりがいだったり、夢だったり、全部だったり。
生活のために薬剤師になるのはとてもいいと思う。本音をいえば多くの人は生活のためってところかもしれないよね。
でも覚えておかなきゃいけないのは、薬剤師の環境ってかなり特殊だってこと。そして最近の改定からわかるように、薬局は大きな転換期にあること。
今までの薬局は成長期から成熟期への過度期。一般市場がとっくに成熟期に入っているのに、薬局はまだ成長期にあった。
外来処方せんを受けてこなしてさえいれば、売り上げに繋がってきた。病院の前に薬局を出せば、医薬分業の追い風で右肩上がりの成長が期待できた。
でもここ数年、調剤報酬にメスが入ったり、ただ処方せんを待ってる薬局を評価しない流れになったり、薬局の淘汰が進んできている。
現実問題、薬剤師の給料も下がってきてる。
薬剤師になれれば安泰だ!の時代はもう終わってしまってるんだよね。
この流れって何かに似てるよね?
大企業に入れれば安泰だった時代。年功序列がちゃんとできてた時代。
なんで?って市場が成長期だったから。
でも市場が成熟期になってしまえば、企業自体が伸びることが難しいんだから、給料も年功序列で右肩上がりになんてなるわけがない。
世間は今、成熟期。大企業に入れれば安泰だ!なんて時代じゃない。
時代が変わってしまったわけだから、余計になんとなくで薬剤師にとらわれてしまうのは損だなってぼくは思う。薬剤師にならなくちゃでなって得られるメリットって今後はあんまないんじゃないかなって。
在宅医療はADHDにはとても向いている仕事だと思う
それでもぼくはわたしは薬剤師になりたいんだ!ってことであれば、在宅医療がぼくはADHDにはとても向いていると思う。
在宅医療は介護施設や個人宅に出向く仕事。
ぼくは在宅医療をやっているけど、薬剤師の一般的なイメージは全くない。じっとしていることはまずないし、常にやることはあるしずっと動き回っている。
どちらかというと提案営業の仕事だとぼくは思っている。
介護施設との折衝、看護師さんやケアスタッフが働きやすいように提案する。
例えば剤型を変えてみることもだし、エース1.5からエンシュアに変えたらこれだけメリットがあるってことを算出したり、勉強会やらない?って投げかけたり、飲んでコミュニケーションを深めたり。
こうして欲しいって無理なことを言われたときは、代案を出してお互いの着地点を調整したり。
車で配薬に出かけて、コミュニケーションを図ることが仕事。
調剤や監査、投薬はほとんどやらない。
だから一般的な薬局の業務をやりたいって人には向いてないけど、ADHDだけど薬剤師として働きたいって人にはおすすめできるなって自分は思う。
組織で働くことはADHDには不向き!じゃあどうする?
ぼくはサラリーマンだったから、組織で働いてきたけどやっぱADHDに組織は合わないと思う。
とにかくルールが多くてめんどくせーな!と思うことばかりで。。
ぼくがいたところは中小企業だったけど、なんでも上司の許可とって、ユニットマネージャーの許可とって、部長の許可とってからじゃないと話が進まなかったり。
めんどくせーと思って、途中すっ飛ばして部長の許可だけもらって、後の二人は事後報告でいいや!なんて自分流のお作法を披露したこともあったけど、
おめぇぶっ殺すぞ!
って、やっぱ言われたよね。。
ルールはルールなんだよって融通の利かないフレーズでね。
やっぱ衝突が多くて、最終的に何やってももめるから、自分を押し殺してしまった。ダンマリを決め込んで空気のようになろうと。そしたら鬱みたいになっちゃってね。
今の薬局も組織は組織でなじめてるから、組織が必ずしもダメってわけじゃないけど、企業!ドーン!みたいなゴリゴリの組織はそもそもADHDには向いてないと自分は思う。
とにかく、空気を読め!みたいなとこも当然あって、うるせーよ!っていつも思ってたもんね。
最近はいろんなベンチャーもあるし、柔軟性の高い組織もあるからそういうとこに目を向けてみたらいいかもしれないけど。
こんなこというと組織で働くことが怖くなっちゃうかもしれないけど、とりあえず組織で働いてみるってのもいいと思う。
ぼくの場合は最終的に自分を押し殺して我慢すればいいってなってしまったのが問題。
でもぼくは組織を経験できたことは今の自分に活きている。
メーカーさんとかこういうの大変っすよね?みたいな話もできるし、一般的な社会人ルールみたいなものは他の薬剤師よりもできている……と思っているw
ADHDで組織で働くこと悩むなぁってなら、入ってから辞めるか悩めばいいと思うよ!とりあえず組織で働いてみるって経験ができるだけでもOKじゃんって思う。
まぁでもぼくは就職活動のとき、企業は最終的に入社したとこ以外は全部落ちた。
これもこだわりがあって、こういうこと書きましょうみたいな就活ノウハウが嫌で、全部事実を書いたんだよね。。
学生時代に頑張ったことを書く欄なんて、頑張ったことないなって思ったから、
「腹筋を毎日100回がんばりました!ここから努力することの大切さを……」
って書いてあって、久しぶりに見たときゾッとしたw
まぁでもこんなぼくでも組織で働いて社会人になれてるから!
大丈夫よ!希望が湧くだろ?
薬学生は薬剤師にしばられず広い視野をもてばいい
で、薬学生さんはもっと自分の興味で選ぶといいなって思うよ。
劇団員になりたいって夢があるなら、薬局はバイトで劇団員をやるとか。ダンスをメインで薬剤師を週に何回かとか。
やっぱ美容師になりたいや!なら、美容師になるとか。
薬剤師になるまでに得てきたことを活かす方法はいくらでもある。薬剤師という資格の活かし方って考え方次第だと思うんだよね。
資格そのものにとらわれてしまうと、なかなか視野が広がらないけど。
ぼくは受かったら行くつもりで、アパレルもテレビ局も受けた。単純にやってみたかったから。こんなもんでいいと思うんだよね。
自分は文系の学生と同じだ!という心意気で就活に臨むと、就活の大変さもわかるし世の中こんな仕事あるんだなってことも知れておもしろい。
で、さらに薬剤師になる過程で人より健康についての知識があるわけだし、Google検索結果の信ぴょう性も判断できるわけだから、薬剤師じゃない道に進んだとしてもよりよい人生になるよね。
あともう一つ。
薬剤師のアドバンテージって実はバイトだとぼくは思ってる。
薬剤師の時給で働けるバイトってなかなかない。正社員じゃなくて、バイトしながらやりたいことをやったり、人生を充実できるようにしたりすればいい。
ぼくもバイト。
全然フルで仕事してるんだけど、休みたいときに休んだり、他に仕事もしたりしたいからバイト。
バイトだと責任を負わなくていいからって考えはなくて、むしろ正社員の人よりも責任ある仕事を任せてもらってるし、失敗したときは正社員じゃなくてぼくが謝罪にも出向く。
責任を負いたくないからバイトって考えはぼくは嫌なんだけど、バイトっていうとだいたいの人がそういう印象を抱くみたい。
でも充実した人生を送るために、働き方の柔軟性を求めて正社員にあえてならない道もありだと思う。
外からみたら、正社員で勤めてたサラリーマンのときの方がちゃんとしてるように映るかもしれない。でも実際、仕事の充実度や人生の充実度を考えたら、今の方がサラリーマンのときの100倍、イイ生活をしてる。
人と違う人生を歩んでみようとすると、自分らしいオリジナルな道がある。そして、そこには大勢の人がいないから、白い目でみられることもあるけどチャンスでもある。
白い目でみられたときに、恥ずかしいと思うのかハッハッハ!と思うのか……ADHD気質であれば後者だろう。
薬剤師にならなくちゃ!正社員にならなくちゃ!
そんな考えは一度、捨ててしまおう。
そんで自分はどんな風にどんな仕事をしたいかな?って考えてみよう。
おれはもうねむい。
自分はまだ診断は受けていませんが、高確率でadhdな高校生です。4月から薬学生になるのですが、本当にこんな不注意で何をやっても失敗ばかりする自分が薬剤師になっても良いのだろうか、といつも思い悩んでいました。ですが、このブログを読んで勇気づけられました。自分には薬剤師になる事とは別なもう1つの夢もあるので、心がとても解放されたような気がします。涙が止まりません。2つの夢を追いかけて、6年後には薬剤師になれるよう、精進します。まずは勉強についていけるかどうかが不安ですが、得意の過集中を活かして頑張ろうと思います。素敵なブログをありがとうございました。
訓練兵さん
嬉しいお言葉ありがとうございます!!夢があるっていいですね。とても素敵なことだと思います。
薬剤師を目指すということは、一つの選択肢が増えることであって、必ずしもならなければいけないものじゃないですもんね。
僕も薬剤師じゃない仕事もしてます。訓練兵さんのように、大学入る前から夢という形で具体的なビジョンを持てているというのは、うらやましいことだなと思います。6年間、夢との両立を楽しんでくださいね^ ^